相続が発生したとき、相続人などが各金融機関に口座名義人が亡くなったと連絡をすることで故人の口座が凍結されます。
そうなると、遺産分割が完了するまで入出金ができなくなり、様々な不都合が出てきます。
〇故人の医療費や葬儀費用が清算できない
〇口座引き落としによる支払いが停止される
〇振込みによる受取りができなくなる
〇電気、水道、ガス、携帯電話料金の未払いにより、延滞料の発生やライフラインが止まる可能性がある
(必要があれば、早い段階で引落口座の変更をおすすめします)
『預貯金払戻し制度』では、遺産分割が完了する前でも、相続人が一定の範囲で預貯金を単独で引き出すことができ、
故人の医療費や葬儀費用などの支払いに充てられるので相続人の負担を減らすことができます。
単独で払戻しができる額=相続開始時の預金額×1/3×払戻しをする相続人の法定相続分
(1つの金融機関での払戻し上限額は150万円まで)
『預貯金払戻し制度』を利用する際には、注意する点もあります。
〇単独で行うと他の相続人とトラブルになる可能性がある
〇預貯金の払い戻しまでに一定の時間を要する
〇遺言がある場合にはこの制度を利用できないこともある
〇相続放棄ができなくなる恐れがある
故人が多額の借金を遺していた場合は、相続放棄をした方が良いケースもあります。
しかし、遺産の一部でも何かしらの支払いに充てると、相続放棄ができなくなる可能性があるので注意が必要です。
きちんと財産調査をした上で、払戻し制度の利用を検討することをおすすめします。
ただし、葬儀費用のみの支払いに充てた場合は、例外的に相続放棄が認められることもあるようです。
いずれにしても、相続人が困らない様に事前に対策をしておくと安心です。
例えば、一時的にまとまったお金が必要となった時のために、受取人を指定した終身保険に加入しておくと、
預金などの相続手続きよりも早く手元に資金を準備することが可能です。
当センターでは、遺言など生前対策や相続のことについてご相談に対応しておりますので
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